さかた木づかり夢ネット 設立趣旨

私たちの住む酒田市は、平成17年11月1日の合併により、行政区域の6割以上を森林が占める緑豊かなまちになりました。この森林は、良質な木材を生産するとともに庄内平野の水源地として重要な役割を担っています。

私たちは、この森林が育む豊潤な水と空気、そして肥沃な土壌生成など多くの恩恵を受け、古来より森林の恵によって暮らしを支えられてきました。

私たちの生活の基盤である住宅においても「近くの山の木」と言う地域の木材資源を活用し、地域のすぐれた職人によって、丈夫で長持ちのする家づくりが行われてきたところです。

しかし、近年の住宅建築ではこうした地域材の利用が減少し、結果として、国産材が値下がりし、業の成り立たない森林では間伐などの管理が放棄され、日本の林業の衰退と山の荒廃が進んでいます。山の荒廃は、山地災害防止や水源のかん養、二酸化炭素の固定等々多面的な機能を失い私達の生活環境までも危うくしています。

そこで私たち「さかた木づかい夢ネット」は、日本の住宅文化、家づくりの技術の伝統を継承しつつ現代の新たな技術、素材を活かした安全、健康、快適な住まい、しかも地球環境に不可を与えず、循環型社会づくりに貢献する地域材の家づくりを提案します。

優良な地域木材を活用した家づくりを推進することで木を育て、山を守り、農地、海へとつながる水資源の循環を支え、農林水産業と地域経済の発展をめざして次のことを行います。

 

1.山で木を育てる人、木を活かす人、木の家に住む人が共生する酒田の家づくりの技術の継承と最新の技術と素材を取り入れた、環境に優しい地域材で造る木の家づくりに関する研究・開発を行います。
2.安全で暮らしやすい住まいづくりの研究・開発の成果を市民に提案、情報発信し、木材の地産地消による林業・木材の振興と地域経済の活性化に貢献します。
3.森林所有者、製材業、大工・工務店、設計事務所と、さかた材に関心をもつ市民をつなぐ扇の要となります。
4.職人の技能や新しい技術、建築材料にも精通し、複雑・多様化した作業や建築主の要望に柔軟に対応しながら、地域材により家づくりと街なみづくりに貢献する活動をめざします。
5.市民が安心と信頼感をもって相談できる、川上から川下まで様々な人々や団体の顔が見える、住み手と造り手が共感できるネットワークの輪を広めていきます。